UVインクについて
UVインクとはUV光(紫外線)を照射させることで液状から個体へ瞬時に固まり定着するインクのことです。様々な材料への印刷を行うことが可能なインクで紙の他にも樹脂や金属などにも印刷することができます。また、UVインクを使用する印刷手法をUV印刷といい、インクの乾く速さや様々な製法への対応も可能な印刷方法です。
業務用のプリンターはもちろん、家庭用プリンターの多くもこのUVインクを使用するプリンターです。
今回は、シール、金属プレート等様々な製品の印刷に使用されるUVインクについてご説明していきます。
目次
UVインクとは
UVインクとは、UV光を照射させることで液状から個体へ瞬時に固まり定着するインクのことです。モノマーという成分が紫外線を浴びることで結合しすることでインク液が固体化してインクが定着します。溶剤インクの場合は印刷対象物にインクが浸透するのに対し、UVインクは印刷対象物の上でインクが硬化した状態となります。
UVインクのメリット
速乾性
UV印刷のメリットの一つは、乾燥するまでに時間がかからないことです。従来使用されてきた溶剤インクは乾燥するまでに時間を置いたり乾燥機にかけたりする工程が必要なため、例えば両面への印刷などの場合インクの乾燥待ちの時間が必要でした。一方UVインクは短時間でインクが硬化するため、印刷の後すぐに次の工程に移ることができます。そのため作業効率が大幅にアップし短納期対応も可能です。
耐摩耗性・耐久性
UV印刷は油性インキに比べて耐摩耗性に優れております。そのためパッケージといった表示物の印刷に最適です。またUV印刷はインキ皮膜が硬いため、キズが付きにくいという特長があります。インキが硬化することによって直射日光などによる劣化にも強い耐久性を持つため屋外用の表示物にも向いたインキとなっております。クリアコートやラミネート材の種類によっては5〜7年持続する耐久性を持つものもあります。
厚盛り印刷
UV厚盛(あつもり)印刷はUVインキを盛って硬化させて印刷することで、厚みのある質感と光沢のある印刷をすることが可能です。凹凸を利用した立体感のある質感を表現することができます。盛り上げ部分の厚み調整も可能です。印刷物に高級感とインパクトをあたえることができます。
インクを吸収しない特殊紙への印刷
PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレン手レフタレート)、PC(ポリカーボネート)、合成紙(ユポ紙)、柔らかく乾きにくい和紙、メタリックな質感のアルミ蒸着紙など、特殊紙や紙以外の素材にも印刷が可能です。これらの素材はインクを吸収しないものもあるため、一般的なオフセットでの印刷ではインキの乾きや密着性に問題がある場合も対応可能です。
人体・環境への配慮
UV印刷を行う場合、紫外線を照射する印刷機が必要になります。以前は強力なUV光を必要とし、その設備も大がかりなものでしたが、現在は印刷機がコンパクトになり、紫外線ランプも少なくて済むようになっています。また、VOCと呼ばれるアレルギーや大気汚染の原因となる揮発性有機化合物や生物のホルモン作用に影響を及ぼすといわれる環境ホルモンなどを含まないため、人体にも環境にもやさしい印刷技術となっております。
UVインクのデメリット
光沢の再現性が難しい
UVインキは油性インキに比べて、仕上がり時の光沢感がやや劣る傾向にあります。UVインキの硬化速度が速いため、インキが馴染んで平らになる前に硬化してしまうためインキ粒が立ってしまい、光が乱反射して光沢しにくくなってしまいます。
表面が割れやすい
インキ被膜が硬く、耐摩耗性・耐久性がある一方、印刷面に折加工をした場合その部分に割れが生じやすくなります。印刷後の仕様や加工には注意が必要です。
コストがかかる
UV印刷で使われるインキは、油性印刷で使われるインキと乾燥原理が異なり、インキを硬化させるための反応開始剤が含まれているため、油性インクの2~3倍ほどの価格となります。また、UV印刷はUVインキを硬化させるために「UVランプ」を使用して照射します。UVランプは一定期間の使用で交換が必要になります。その他にもUV印刷専用の資材(インキローラー、ブランケット等)の消耗品も高価なため、印刷コストは高くなりがちです。
独特の臭気
未硬化のUVインキは独特の臭気があります。そのためわずかではありますが硬化後の印刷物にもわずかに残臭がある場合があります。完全に乾燥すれば臭いも少なくなりますが、100%なくなるわけではありません。UVインクで印刷したパッケージなどに個装せずに食材を入れる場合、臭いが商品に移ってしまう危険性があるため食品関係のパッケージに使用する場合は注意が必要です。
UVインクは様々な用途の製品を製作できる
UVインクは、フルカラーの写真やグラデーションの再現、オリジナルの販促物やノベルティ、広告物、量産前の試作品など様々な製品製作の用途で使われています。
紙状のものだけでなくアクリルや木、立体的な製品への印刷も可能です。
様々な機械に対応しているので、どのような製品ができるのか不明な場合はぜひお問い合わせください。
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