ネームプレート製法
ネームプレートと言ってもその製品が使用されるシチュエーションによって、様々な材質・様々な加工方法があります。このページでは、末吉ネームプレートで実際に作成に使われる技術・製法をご紹介します。
ネームプレート製法
エッチング技術
エッチング技術とは?
エッチングは「腐食」とも呼ばれる製法です。薬品で金属の表面を溶かし、金属の表面に凹凸を付けます。へこんだ部分にメラミン樹脂塗料を流し込む事により製作した銘板です。 また、弊社のエッチング機は、材料を機械に通す時間(材料に薬品を吹き付ける時間)を長くすることでより深い文字を彫ることができます。文字の大きさによらず彫る深さを調節することで、文字のはっきりとした印刷が可能です。
エッチング技術のメリット・デメリット
~メリット~
・エッチングはプレス加工で用いるような金型の設計が不要なため、加工時間、コストが大幅に短縮できます。
・エッチングは薄い板への加工や複雑な加工などに適しているため、デザインの細かい製品の加工も可能です。
~デメリット~
・文字の大きさによらず彫る深さを調節できますが、あまりに小さい文字に対して深い文字を彫ろうとすると、潰れてしまう場合があります。
・エッチング機を使用せずにエッチングを行うには、デッキブラシに酸をつけて材料を擦る方法が挙げられますが、溶けた金属の蒸気が全身にかかるため、健康被害が起こる可能性があり注意が必要です。
エッチング技術の向き・不向き
・エッチング加工は薬剤で材料を腐食するため、加工を施す材料の板厚が薄いほど、文字や模様の分かりやすい高精度な加工が可能となります。そのためデザインの細かい製品に向いています。
・短納期で製造可能なため、試作品にも向いています。
・印字内容が変わる製品(シリアルナンバーなど)はそのたびに版を新しく起こす必要があるためコストや時間がかかってしまいます。可変の内容でコストを抑えたい場合には不向きとなります。
機械彫刻技術
機械彫刻技術とは?
プラスチック・金属・塗装パネルなどの素材に機械彫刻機を使用して文字を彫刻していく技術です。主な用途は、「アルミ機械銘板」「塗装パネル」「アクリル銘板」、「刻印」などがあります。素材を掘って行く為、彫刻した文字が消えにくく、適用材料 彫刻刃が削れる材料ならば、何に対しても彫刻できます。一般的には、アクリル・精密板金等に彫刻することが多いです。
機械彫刻技術のメリット・デメリット
~メリット~
・機械彫刻では素材を掘って製品を製作する為、彫刻した文字が半永久的に消えません。
・小ロットでの生産が可能です。
~デメリット~
・機械彫刻は加工位置や彫刻対象によっては加工ができない場合があります。
・大量生産には不向きです。
機械彫刻技術の向き・不向き
・小ロット生産に向いています。
・小さな文字やパターンなど詳細な加工は不向きです。
シルク印刷技術
シルク印刷技術とは?
シルク版の上からスキージという道具でインクを押しつけて材料面に印刷する製法です。シルクスクリーン印刷の特徴としては、樹脂素材や金属素材など、幅広い材料に印刷することが可能です。エッチング銘板やアルマイト銘板と比べ、 量産性に優れているため、大量製作の金属・樹脂銘板としても多用されています。
シルク印刷技術のメリット・デメリット
~メリット~
・印刷対象の幅が広くガラスやアクリルなどの素材から布や生地、印刷用紙のような柔らかい物素材まで印刷することができます。
・密着性にすぐれ耐候性もあるため屋外に設置される製品にも使用されています。
~デメリット~
・版を作成する必要があり、一色ごとに版を作らないといけないため初期費用が掛かります。
・グラデーション等の表現をだすのが難しく、多色使いの場合は位置ずれが起こりやすく不良率が上がります。
シルク印刷技術の向き・不向き
様々な素材に印刷が可能です。また、広範囲に印刷する際に向いた製法です。平面はもちろん、曲面に印刷することもできます。ただし、写真のような目の細かい印刷には不向きです。
アルマイト印刷技術
アルマイト印刷技術とは?
アルミの表面に「アルマイト処理」という皮膜処理を施し酸化被膜という酸化アルミニウムの膜を作ります。この上に染色画像を形成します。酸化被膜には微細な孔が開いており、そこに有機性染料を浸漬させ、封孔処理して作成する銘板です。
アルマイト印刷技術のメリット・デメリット
~メリット~
・アルマイト処理によって耐食性をより向上させアルミニウムの腐食に対する性質をさらに高めることができます。・アルミニウムに着色が可能になります。表面に出来た孔に、塗料を閉じ込めることで色のはげ落ちなどがない着色ができます。
~デメリット~
・耐熱性、耐候性はあまり良くないため屋外などでの使用には不向きです。
・素材は、アルミニウムでなければ処理が出来ません。
アルマイト印刷技術の向き・不向き
・耐熱性、耐候性はあまり良くないため屋外使用には不向きです。
レーザー彫刻技術
レーザー彫刻技術とは?
レーザー彫刻とは、レーザー光線によって照射部分を一瞬にして溶融もしくは蒸発させることにより、彫刻・切断などをほどこす技術のことです。手彫りなどでは難しい1mm以下の超精密な彫刻表現が可能です。
レーザー彫刻技術のメリット・デメリット
~メリット~
・摩擦に強く耐久性に優れているので、薄くなったり消えたりしにくく、彫刻した文字が半永久的に消えません。
・型が不要なためすぐに対応ができます。
~デメリット~
・長時間稼働させると熱で温度が上がるため、加工の精度にムラが出る場合があります。
・レーザーの出力で彫りの深さを決めているため深さにムラが出てしまうことがあります。
レーザー彫刻技術の向き・不向き
・木材、アクリル、紙、金属、など様々な材質に適しています。
・写真やイラストの再現といった細密な彫刻表現に向いています
インクジェット印刷技術
インクジェット印刷技術とは?
インクの微細な粒子を材料に吹き付けることにより印刷を行う製法のことです。また、製版が不要なので初期費用が安価ですみます。
インクジェット印刷技術のメリット・デメリット
~メリット~
・インクジェット印刷はシルク印刷と違い色ごとの版が必要ないため、多色製品でも原版代を抑えることができます。
・シリアルナンバーの印刷など一枚ごとに数字を変えたりする事ができます。
~デメリット~
・シルク印刷のように、インクの色を作り込むことはできません。
・液状のインクを使用しているため、使用する頻度が少ないとインクが詰まってしまう場合があります。
インクジェット印刷技術の向き・不向き
・多色展開しているインクを使用した印刷ができるため、色味の再現性が高く、写真印刷など繊細な印刷に向いています
・印刷スピードはレーザープリンタなどと比べると劣るため大量生産には不向きです。
ネームプレート加工方法
プレス加工
プレス加工とは?
プレス金型を使用し、プレス加工する外形仕上げ方法です。特殊形状に加工する場合や数量が見込まれる場合、精度が要求される場合などに利用します。
プレス加工のメリット・デメリット
~メリット~
・金型に合わせて短時間で均一で精度の高い製品を大量生産することが可能です。
・金属の細い組織が切れないため、軽量で強度のある製品に仕上がります。
~デメリット~
・製品ごとの形状に合わせた金型を製作して使用するため形状ごとに金型が必要となり、初期費用が掛かります。
・金型完成後に、仕上げ形状を変更するのが難しいため仕様変更ごとに、金型費用が掛かります。
プレス加工の向き・不向き
・大型板の加工や低コストでの大量生産に向いています。
・同じクオリティーの製品を大量に製作する場合に向いています。
・成形できる形状に制限があり自由度が無いため、複雑な形の加工には不向きです。
レーザー加工
レーザー加工とは?
レーザー加工とは板金などの薄い素材をレーザーの照射によって切断する製法です。素材に直接触れることなく非接触で加工するため、切断面のダレやバリが少なくなっています。
レーザー加工のメリット・デメリット
~メリット~
・型が不要なためすぐに対応ができます。
・加工できる素材の幅が広く他の方法では硬すぎる金属や柔らかすぎる布地でも、素材によってレンズや照射の出力を変えることで問題なく加工できます。
~デメリット~
・プレス加工などと比べると加工速度が劣ります。
・光線の熱で彫っているため、材質によっては彫刻面がデコボコになる恐れがあります。
レーザー加工の向き・不向き
・手作業では難しい複雑な加工をしたい場合に向いています。
・レーザー加工では穴がテーパー状というすり鉢状の加工面になるため、厚板の加工は不向きな場合があります。
シャーリング加工
シャーリング加工とは?
シャーリング加工とは切断機を使用し、外形の切断加工する仕上げ方法です。 上刃と下刃があり、上の刃を押さえつけ金属に圧力を加えることにより、せん断します。上刃には角度がついており、これによって直線的に切断を行うことができます。
シャーリング加工のメリット・デメリット
~メリット~
・レーザーでの切断と比べて熱を加えないため、素材に対して熱変異が発生しません。
・型が不要なため急ぎの対応も可能です。
~デメリット~
・金型に比べると精度が落ちてしまいます。
・切断面のダレやバリのかえりが出る場合があります。
シャーリング加工の向き・不向き
・アルミやステンレスといった薄い板金素材を切断する加工に向いています。
・一定以上の厚みがある素材の加工には不向きです。
手加工
手加工とは?
金切はさみ・その他職人の手加工による仕上げです。単品もので安価に対応できます。また、曲線など機械では出しにくい形状の加工も可能です。
手加工のメリット・デメリット
~メリット~
・流曲線など複雑な形状の製品の生産が可能です。プレス加工では対応が難しい形状の製品も製作可能です。
~デメリット~
・金型に比べると精度が落ちてしまいます。
・手作業のため、納期まで時間がかかるため大量生産には不向きです。
手加工の向き・不向き
・少量生産や複雑な曲線の製品に向いています。
・手作業となるため、大量生産品には不向きです。